「先生が嫌いで、学校に行けなくなった」
実はこの理由で不登校になる子どもは、決して少なくありません。
私自身の子どもは別の理由でしたが、不登校の親の会や相談の場に行くと、
- 先生の言動がつらかった
- 理不尽に叱られた
- 恥をかかされた
- どうしても相性が合わなかった
そんな声を、本当によく耳にします。こちらは令和6年度の文科省の「不登校の原因調査」資料によるものです。教員のこたえと、子どものこたえが違うことが顕著にわかりますね。

報告書
admin子どもや保護者が「先生が原因で不登校になってる」と思ってるのに対して、先生側にその認識は全くないのが、よくわかります。
この記事では、
「先生が原因で不登校になったとき、親はどう対応すればいいのか」
という点について、経験をもとにお話しします。
先生をかばう内容も一部ありますが、本当にお子さんの尊厳にかかわる重大な事態の場合は、この記事の内容を気にせず、周囲の信頼できる人に相談してくださいね。
先生がきらいで不登校に…こんなときは〇〇
率直に言うと、
たとえ不登校の原因が先生にあったとしても、担任の先生との関係は、できる限り悪化させない方がいいと私は思っています。
なぜなら、不登校になったあとも、
- 教育支援センター(適応指導教室)につなぐ
- フリースクール・ホームスクーリングの出席扱いの判断
- 学習の配慮
- 進路・受験に関する情報収集・書類や調整
こうした**「学校でしかできないこと」**が山ほどあるからです。(しかも多くの場合は担任の先生が対応)
「先生が嫌いでうちの子が不登校になった!どうしてくれるんだ!」と感情的に対立してしまうと、
その後の学校全体・管理職・担任から見た「家庭としての印象」が悪くなり、
結果的にあなたの子どもが不利になる場面が増えてしまいます。
悔しいし、腹が立つし、納得できない気持ちもあると思います。私もそんな気持ちになったことはもちろんあります。
それでも、子どもの将来を考えるなら、
親は前に出すぎず、冷静でいた方がいいと感じています。



教員現場にいると「先生もまた、迷いながら生きる普通の一人の人間である」ということがよくわかります。
先生は子どものそばにいつづけるからと言って、100%子どものために人生を捧げる人格者ではありません。
本当に普通の人ですし、先生方にも家族がいて子どもがいて…不登校の子を気にかけていても、仕事でできる範囲はとても少ないのです。
まず担任に「必ず」やってもらいたいこと
先生が嫌いで不登校になったとしたら、先生との関係がギクシャクしてしまいますよね。
その中でも、親として最低限、必ず先生にお願いしたいことがあります。
それは、
教育支援センター(適応指導教室)やスクールカウンセラーにつないでもらうこと。
ここは、担任とどんな関係性であっても、
「仕事として」きちんと対応してもらえる部分です。
不登校になった直後は特に、
- 親が仕事を休めない
- 子どもを一人で家で留守番させるのが不安
という現実的な問題が一気に押し寄せます。家でゲームばかりされても、なんだかいやですしね。
学校や家以外の「安全な居場所」を早めに確保できるだけで、
親も子も、精神的な負担が大きく減ります。
また、教育支援センターではなくフリースクールに通うことを決めた場合は、
担任の先生と校長先生に
「フリースクールに行く日を出席扱いにしてもらう」
というお願いをすることになります。
詳しくは以下の記事で解説しているので、よかったら参考にしてくださいね。
先生によっては、
不登校期間中の学習支援の提案などしてくれることもありますが、
そこはお子さんとの話し合いの中で個別に決めていくといいかなと思います。
「また学校に戻る可能性」があるなら、なおさら
もし、親御さんのなかに、
- いつか学校に戻ってほしい
- 行事だけでも参加できたら
- 少しずつでも関われたら
そんな思いが少しでもあるなら、
担任の先生との関係が悪化しないよう、十分に注意した方がいいです。(もちろん重大事案をのぞいて、です)
なぜなら、親の目が届かない場面で、
子どもを守ってくれるのは、結局その先生だからです。
親についで、子どもたちが長い時間関わる唯一の大人が担任の先生です。



相性の悪い人にあたると、本当に苦しい場合もあるのですが、お子さん自身が先生との人間関係を構築するためにも、親は先生と対立しない方がいいと思います。
学校の先生と感情的に対立してしまうと、
- 子どもへの声かけが事務的になる
- 配慮が最小限になる
- 「トラブルを避ける対象」になってしまう
こうしたことが起きやすくなります。
起きてはならないと思いますが、先生たちも人間。
感情的に怒りをぶつけてくる相手(親とその子ども)に対して、自分を守りに入ることも起こりうると言うことです。
そして、お子さん自身が「被害者的立ち位置になれば、親が優しい。かまってくれる。親との対話が増える。」と担任を悪者にして話を少しふくらますことも、まれに起こりえます。
親はますます、冷静な判断が必要になってくるのです。
子どもの怒り・苦しみは「親が受け止める」
先生がきらいで子どもが不登校になった、学校に行きたくないと言ったときに、
1:子どもの怒りやつらさは、親がしっかり受け止める。
2:でも、それをそのまま先生にぶつけない。
これは絶対に分けて考え、立ち止まったほうがいいと思うんです。
「それはつらかったね」
「嫌な思いをしたね」
「よく話してくれたね」
と、お子さんの気が済むまで話を聞くことはとても大切で、多くの場合は親にしかできないことです。本当に初期段階の場合は、「学校の先生が嫌だ…でも悔しい気持ちを毎日親が聞いてくれる」というだけで、不登校が解消することもあるのです。



親が上手に「聞くだけのカウンセリング役」をできていると、不登校が解消することも多くあります。もちろん、状況に寄るので「私がちゃんと話を聞けてないから不登校に…」なんて思わないでくださいね💦
子どもたちってすごく柔軟性があるので、おのずと
「世間には相性合わない人もいる。そう言う人と長く一緒にいなければならないこともある。そんなとき…」
と自分なりの処世術を身につけていくことが多いです。
苦しさ・不満をただ聞いてくれるだけの相手がいれば、壁を乗り越えられるのです。
ただ話を聞くだけって、実はすごく難しいですよね。
自分の子どもがかわいいだけに、世間に対して文句を言いたくなる親の正義感・守りたい気持ちもよくわかります。



でも、その怒りをそのまま担任にぶつけてしまうと、
親子ともに、あとで余計につらくなるケースがとても多いので、グッと胸のうちにしまうことを、ここではおすすめしたいです。
先生のことをなぜ「きらい」になるのか
私は教員として働いていた経験もあります。その経験から言えることは、現場の先生たちは本当に余裕がないということです。
- 20人前後の子どもを一人で見る
- 昼休みも給食指導で休めない
- 放課後は保護者から「うちの子の個別対応」を求める声に対応
おまけに学校には年間行事が山ほどあります。入学式に卒業式、運動会に郊外活動や修学旅行などの宿泊行事…給食試食などの保護者参加型イベントに定期的な授業参観、保護者会に個別面談…1年間のスケジュールはぎっしりです。その中でも日々の学習や集団行動、給食指導やケンカのトラブル対応…「できません」と言えない状況で、
毎日必死に教室を回しています。
そんな中で、一人一人の子どもたちと完璧に嫌な思いをさせずに100点満点の対応を常にとれるかというと…難しいと思います。システマチックな受け答えになることもあるかもしれません。
もちろん、忙しいからと言って
学校の先生による、子どもを傷つける言動は許されません。
ただ、「すべてを完璧にやってもらおう」と期待しすぎると、先生がつぶれてしまうほど、現代の学校の先生は大変なのです。


例えば、アメリカやフランスの先生は⑮~⑱だけが業務だというケースが多いです。日本の小中学校の先生たちは、タスク過多でへとへと…目の前にいる、学校に来ている子どもたちの対応だけでも手が回らないのに、学校に来ない子どもの対応まで手が回らないのが現状です。(気にかけている先生も多いと思います)
私は不登校の子どもの親でもあり、教員経験もあるので、どちらの立場もよくわかります。だからこそ、たとえ「学校の先生が原因で不登校になった」場合であっても、先生とは絶対に対立しない方がいいとアドバイスしたいです。



例えるなら、子どもと1日家にいてへとへとな時に、その場にいなかった旦那さんが帰ってきて「え?子ども不機嫌じゃん、ちゃんと優しく対応しなきゃダメじゃん?ママひどくない?」と言われてどう思うか。です。
先生たちは毎日20人以上の子どもの安全を守り学習をすすめ頑張ってるのに、急に「うちの子、学校の先生に冷たいこと言われて行きたくないと言ってます。ひどくないですか?ちゃんとしてください!」って責められるとどう思うか…。お子さんと長く一緒に過ごしているママほど、先生の気持ちはわかると思うんです。
学校や担任の先生に「頼れない理由」
「うちの子は不登校になったのに、担任や学校は何をしてくれるの?」
「なんで何もしてくれないの?」
そう思う親御さんも多いと思います。
現実問題、難しいような気がします。
子どもの不登校の原因は、すべてが個別案件です。
一人の担任の先生が、
30人分の学級運営をしながら、
その中の1人の個別対応に真剣に対応し続けることは、物理的にとても難しいと思うのです。
親に次いで子どもと長く過ごしている担任の先生にこそ、
「うちの子の不登校のこと何とかしてほしい」と思うかもしれませんが、
現実的ではないのです。
親が覚悟を決めて子どもの学習や社会生活経験の責任を、担任から自分の肩にのせる方がよほど現実的なのです。
不登校の理由は、子どもの数だけあるので、
公的な立ち位置の担任の先生が「これをすれば解決!」という全員に当てはまる唯一解を持っているはずもなく、
結局「学校に相談に行った時間が無駄だった…。」となりかねません。
多くの不登校親子さんと会ってきましたが
不登校の最初、学校や担任に期待していた時期が無駄な時間だった、一番苦しかった。
子どもが不登校になったとき、
それまで学校や担任が負っていてくれた我が子の学習権と集団行動マナー指導などの責任が
親に戻ってくる。それだけのことなのです。
このように開き直ってしまえば、その後の不登校生活は一気に気持ちが楽になると、多くの方が話しています。



公共の学校なら無料なところ、不登校はお金がかかります…そこの覚悟と開き直りも必要ですね。とほほ
先生には「感情」ではなく「要望」を伝える
たとえ自分の子どもが「先生がきらいで不登校になった」としても、
学校の先生に感情をぶつける代わりに、
具体的な要望を整理して伝えるのがおすすめです。
たとえば、
- 教育支援センターにつないでほしい
- フリースクールを出席扱いにしてほしい
- 受験範囲を絞って教科書のページを指定してほしい
- 行事参加のときの声かけや他の児童との関わりに配慮してほしい
これらも、不登校初期には「学校の先生からこうした提案してよ!親は不登校のことわからないんだから!」と思うかもしれませんが、先生こそ知らないことだらけなので、親が情報を集めて我が子のために粛々と準備をすすめ、その提案を先生に伝えた方が速いです。
✖「先生→親に不登校児童のケアを提案」
〇「親→先生に、我が子のケアを提案」
学校は無料だし、全部マルっとお任せできる楽な公的な仕組みです。
けど、不登校になったらその仕組みを使えなくなります。
「先生は学校という箱の中で子どもたちをみる存在」なのですから、家の中にまで介入して子どもの面倒を見てくれる人ではないのです。
学校外での子どもの責任は、保護者にあるのです。
不登校になってからいつまでも「先生、うちの子を何とかして~!」と最初は助けを大いに期待するのですが、多くの場合助けはなく、あったとしても初動は遅れます。
だからこそ子どもが不登校になったら、
親が「今後この子の学習や進学の進展と、
健康や社会的マナーを教える責任は全て、私にあるんだ」
と早めに覚悟を決めることが大切です。



私も通った道です。重い。とてつもなく重く、お金がかかりますが、それでも大切な我が子なので覚悟を決めました。そして、覚悟を決めたら、「子どもが不登校であること」の心の負担が驚くほど軽くなったんです。
先生には淡々と、公的機関ができる対応を求めましょう。
それは、我が子の進学や進路の助けになるので、必要不可欠の対応です。
多くの先生は丁寧に対応してくれます。
例え対応がシステマチックだったとしても、そんなときは「仕事でここにいるだけの他人」と割り切るしかないです…。
担任の先生と話すのが苦しいときは
担任や学校の先生たちと何度も話すのがしんどい、
気持ちが乱れてうまく伝えられない。
そんな方のために、
要望を1枚の紙にまとめて提出する方法があります。これはものすごく役立ちました!なるほど、みんなこんなことで困ってるんだな。と不登校初期にも参考になると思います。


このサイトでダウンロードできる書類を、その内容の通りに書いて、学校に提出するだけです。
・先生からの毎日の電話
・無駄にとられる給食費や諸費用
・修学旅行やイベントでの取り決め
これらの不安や要望がこの紙一つで学校側に意思を伝えることが出来るのです。
感情が落ち着かないときに無理に話すより、
文章で整理した方が、関係がこじれにくいケースも多いです。
先生たちも、具体的にどういう対応すればいいのかわかりやすいため、
「先生が家に来るのが負担」
「先生が毎日電話してくる…」
「先生がなにもしてくれない」
という気持ちのすれ違いに、このシートは双方助かると思います。
先生が嫌いで不登校になった…まとめ
先生が原因で不登校になったとしても、
親が一人で学校と戦う必要はありません。
- 子どもの気持ちは、親が守る
- 学校との調整は、冷静に
- 子どもの不利益を最小限にする
この視点で動くことが、
結果的に子どもを一番守ることにつながると、多くの不登校の親子さんに接してて思います。(もちろん重大事案を除いて、の話です)
悔しい気持ちを抱えたまま、
ここまで読んでくださってありがとうございます。私も全部正解の答えを持ってるわけではないので、意に沿わないないようだったらぜひスルーしてくださいね。



コメント欄で愚痴っていただいてもOKです





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