「一斉授業のスピードの遅さ、無意味に思える校則…」

島根県:リク様
不登校の期間:中学1年生の夏から卒業まで(現在は19歳、独学でエンジニアとして活動中)
不登校の理由:
「学校という場所の合理性の欠如」に対する強烈な違和感。特定の事件があったわけではないが、一斉授業のスピードの遅さ、無意味に思える校則、IT活用を拒むアナログな指導に知的な苦痛を感じ、精神的な「エネルギー切れ」を起こしたため。
私が学校に行かなくなったのは、朝、校門の前で「靴の色」をチェックする教師の姿を見たとき、強烈な虚無感に襲われたのがきっかけでした。
なぜ、二次方程式を解く能力や、歴史の因果関係を考察することと、靴下の長さや靴の色が関係あるのか。
その問いに対して、誰も納得のいく説明をしてくれませんでした。
「決まりだから」「社会に出たらもっと厳しいから」。
その思考停止した回答こそが、私にとっての「学校」という場所の正体でした。
私の不登校は、悲しみというよりは「絶望的な退屈」から始まりました。
地方の公立中学校では、教科書の内容をなぞるだけの授業が延々と続き、すでに理解している内容を45分間黙って聞いていることを強要されます。
質問をすれば「後で」と言われ、勝手に先のページを解けば「勝手なことをするな」と叱られる。
学びたいという欲求が、学校というシステムによって削り取られていく感覚でした。
行政に最も訴えたいのは、教育の「時間軸」と「場所」の完全な自由化です。
現在の日本の義務教育は、いまだに工場労働者を養成していた時代の「一斉通学・一斉学習」のモデルから脱却できていません。
特に地方においては、近隣にフリースクールなどの選択肢が皆無です。私の住む地域でも、学校に行かないという選択をした瞬間に、公的な学習リソースから完全に遮断されました。
タブレット端末は配布されていましたが、学校のサーバー経由でしかログインできず、欠席者には「自習」という名の手書きのプリントが郵送されてくるだけ。
これはICT教育ではなく、ただの「デジタル紙芝居」です。
具体的改善案として、行政には「履修主義」から「修得主義」への転換を強く求めます。
学校に行かなくても、オンラインで検定を受けたり、特定の高度な学習プログラムを修了したりすれば、それを「出席」や「卒業要件」として正式に認めるべきです。
また、地方の不登校児にとって最大の壁は「情報の孤立」です。
行政がメタバース(仮想空間)などを活用した「仮想登校」を公的に支援し、そこに専門のメンターや、特定の分野に特化した講師を配置してください。
場所を問わず、同じ知的好奇心を持つ仲間と繋がれる仕組みがあれば、どれほど多くの子どもたちが「自分は異常ではない」と確信できるでしょうか。
また、私が経験した中で最も苦痛だったのは、スクールカウンセラーや行政の担当者による「情緒的なアプローチ」の押し売りです。
「何か悩みがあるんだよね」「辛いことがあったんだよね」という、原因をメンタルに求める決めつけが、かえって当事者を追い詰めます。
私のようなタイプが必要としていたのは、優しい言葉ではなく「知的な刺激」と「未来への合理的な選択肢」でした。
支援者側は、「学校に戻ること」を前提としたカウンセリングをやめ、その子が学校以外の場所でどうやって生計を立て、どうやって社会に貢献できるかという「キャリア形成」の視点を持っていただきたい。
世間の皆様に伝えたいのは、不登校は「弱さ」の露呈ではなく、今の時代にそぐわなくなった「システムのエラー」を子どもが感知している状態だということです。
学校に行かない期間、私はオンラインでプログラミングと英語を独学しました。
もしあのまま無理をして学校に通い続けていたら、今の私のスキルも、仕事に対する情熱もなかったでしょう。
行政は、「不登校児をどうやって学校に戻すか」を考えるのをやめてください。
そうではなく、「学校という枠組みそのものをどうやって解体し、一人ひとりに最適化された学びのインフラへと再構築するか」に予算と知恵を使ってほしいのです。
子どもたちの可能性を、明治時代から続く古い「教室」という箱の中に閉じ込めないでください。
彼らの学びを、自由という空の下へ解放してあげてほしい。
それが、不登校という時間を経て、自力で社会への扉をこじ開けた私の、偽らざる本音です。

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