「人間関係のもつれがきっかけで教室に入れなくなった生徒」

Amber_Field様(教員体験談)
公立中学校で学年主任および保健室登校の児童生徒の対応を担当していた教員
対応した生徒について:中学1年の冬からクラス内での人間関係のもつれをきっかけに教室に入れなくなった

公立中学校で学年主任および保健室登校の児童生徒の対応を担当していた教員の立場からの見解と体験記です。
私が受け持ったある生徒は、中学1年の冬からクラス内での人間関係のもつれをきっかけに教室に入れなくなりました。
完全な不登校になってから約3ヶ月の間、私や養護教諭、保護者の方と話し合いを重ね、学校以外の外部施設に頼るのではなく、まずは「学校内の別室(保健室および相談室)」を居場所として設定し、そこから復帰へのステップを踏むことになりました。
結果として、その生徒は中学2年の終わりまでの約1年3ヶ月間、その校内居場所に在籍しました。

学校内の居場所を修学の場としたことでよかったのは、やはり費用負担が一切発生しないことと、クラスの友人たちや教科担任との細かな接触の機会を完全に断たずに済んだ点です。
給食の時間だけ仲の良い友人が保健室に様子を見に来たり、放課後に担任が顔を出して宿題の受け渡しをしたりと、社会的な繋がりを維持しながら、本人の体調に合わせて数コマだけ授業を受けに行くといった柔軟な対応が可能でした。

しかし、学校という既存の枠組みの中で別室登校を維持することには、制度的な不満やスタッフ(教員)の質の面で大きな課題と限界がありました。
現場の最大の問題は「教員の圧倒的なマンパワー不足と専門知識の決定的な欠如」です。
私を含め、現場の教員は日々の授業や部活動、クラス担任としての業務で忙殺されており、別室にいる不登校の生徒に対してつきっきりで手厚いケアを行う時間は物理的に皆無でした。
空き時間の教員が交代で部屋を見守る形をとっていましたが、教員の中には「ただ甘えているだけだ」「早く教室に戻すのが正義だ」という前時代的な根性論を持つ者も少なくなく、別室にいる生徒に対して無神経な励ましや登校の圧力をかけてしまい、せっかく築いた信頼関係を台無しにするトラブルが何度も起きました。
学校という組織自体が、不登校専門のカウンセラーとしての訓練を受けていない素人の集まりであるため、対応の質が個々の教員のキャパシティや理解度に完全に依存してしまう不条理さがありました。

費用面での保護者の金銭的負担はないものの、毎朝「今日は学校の別室に行けるだろうか」と子どもの顔色を窺い、行ける日には仕事を遅刻して学校まで送り届けるという保護者様の精神的・時間的負担は極めて過酷なものでした。
学校内の別室は手軽な選択肢に見えますが、現場の教員は不登校対応のプロではないため、時に悪気のない言葉で子どもを追い詰めるリスクがあります。
利用する際は、学校側に専門の指導員やスクールエージェントがどの程度関与してくれるのかを明確に要求し、教員任せにしない体制を作ることが求められます。


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この記事をまとめた人

このサイトの管理人です。
2021年より我が子の不登校に対応している母(教員歴あり)Web会社経営者です。
不登校の中で出会ったたくさんの親子さんたちの困りごとを解決できるサイトを作りたいと思い、はじめました。
「正解を見つけるサイト」ではなく、「自分と同じように困ってる人いるんだな」くらいのN1の経験談として、気楽にご覧いただけたら幸いです。

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