「担任の先生の威圧的な指導方法に強い恐怖を感じていた」

東京都:さくらもち
不登校の期間:小学5年生の秋から中学3年生の卒業まで
不登校の理由
最初は「朝、お腹が痛い」という身体の不調から始まりました。次第に夜眠れなくなり、理由を聞くと、担任の先生の威圧的な指導方法に強い恐怖を感じていたこと、また、大人数の中で常に周囲の目を気にして合わせることに疲れてしまったことが主な理由です。

子どもがある朝突然「学校に行けない」と言い出したとき、私の頭の中は真っ白になりました。
それまでは元気に登校しているように見えたため、最初は単なる怠けか、一時的な体調不良だと思おうとしました。
しかし、無理に学校に行かせようとすると激しい頭痛や過呼吸を起こすようになり、これ以上追い詰めてはいけないと気づいてからは、親子で暗闇を這うような日々が始まりました。

もっとも苦しかったのは、周囲からの孤立と学校に復帰することだけをゴールとする行政や学校の姿勢でした。
スクールカウンセラーに相談しても「まずは保健室登校から始めてみましょう」「お母さんがもっと毅然とした態度で」といった、学校に戻すためのアプローチばかりでした。
子どもの心がどれほど傷つき、エネルギーが枯渇しているかという根本に目を向けてもらえている実感が持てず、相談に行くこと自体が親の私にとっても大きな心理的負担になっていきました。

半年間の完全な引きこもり生活を経て、ネットの口コミを頼りに必死で探した地域の民間フリースクールに繋がりました。

また、行政の教育支援センターにも足を運びましたが、そこは学校の延長線のような静かな教室で、当時の我が子にとってはハードルが高すぎました。
結局、地域の民間フリースクールに繋がることができ、そこで、学校に行かなくてもあなたのままでいいんだと受け入れてもらったことで、子どもは2年近くかけてようやく笑顔を取り戻すことができました。

しかし、民間フリースクールを利用する中で、行政に対する大きな疑問と課題を感じました。
もっとも大きな問題は経済的負担と情報の少なさです。
民間フリースクールは月謝や教材費などで毎月数万円の費用がかかりました。
義務教育の期間であるにもかかわらず、学校以外の選択肢を選んだ途端、すべてが自己負担になるのはあまりにも不条理だと思いました。
経済的な理由でフリースクールに通わせられず、家で孤立せざるを得ない家庭がたくさんいると思います。
行政には、フリースクール利用料の補助制度を全国一律で確立していただきたいと強く願います。
さらに、不登校になった初期の段階で、学校や教育委員会から民間フリースクールやオルタナティブ教育という選択肢が提示されることは一切ありませんでした。
親が必死にネットで検索し、口コミを頼りに探すしかありませんでした。
学校側が学校復帰にこだわるあまり、他の居場所の情報をあえて出さないようにしているのではないかとさえ感じました。

行政に強く望むのは、学校を「一斉教育の場」から「多様な学びを選べるハブ」へと改革することです。
学校に行けないことは、決してその子の人生のドロップアウトではありません。
具体的には、オンライン授業の出席扱いや成績評価の基準をもっと柔軟にし、全国どこでも不利益を被らないようにすること、そして民間のフリースクールや家庭学習(ホームスクーリング)を公式な義務教育の選択肢として認め、公的な予算を投じることです。
また、学校の先生方が「学校に戻すこと」を目標にせず、子どもの社会的自立を伴走するための研修を充実させてほしいと思います。

「学校に行くのが当たり前」という世間の空気や制度が変わらない限り、子どもたちと保護者は追い詰められ続けます。すべてのこどもが、自分のペースで、安心して学べる社会になるよう、環境の抜本的な改善を心から願っています。

【追記:フリースクールについて】

我が子が小学5年生の秋に不登校になり、半年間の完全な引きこもり生活を経て、ネットの口コミを頼りに必死で探した地域の民間フリースクールに繋がりました。
そこから中学3年生の卒業までの約4年間、そのスクールを我が子の唯一の居場所として利用し続けました。

その中で感じた最大の良さは、学校という閉鎖的なシステムで傷ついた子どものプライドを、民間の柔軟さで救い上げてくれた点です。
年齢がバラバラの異年齢集団だったため、子どもは同級生の目を気にする必要がなく、親でも先生でもない、少し年上のスタッフや年長の子どもに揉まれる中で、徐々に自己肯定感を取り戻していきました。
家庭と学校以外の第3のサードプレイスとして、これ以上ない心の安全基地になったことは間違いありません。

しかし、4年間という長期間、深く内部に関わったからこそ見えてきた問題点や注意点があります。
今後利用を検討する方に、綺麗事だけではない生々しい現実として注意喚起をしたいと思います。

まず1つ目は、フリースクール内でのスクールカーストの発生と、逃げ場のなさです。
学校の人間関係から逃れるためにフリースクールに来たはずなのに、そこがお気に入りの居場所になればなるほど、子どもたちの間で小さなコミュニティの主導権争いや、相性の良し悪しによる派閥のようなものが生まれました。
民間のフリースクールは、学校に比べて圧倒的に規模が小さく、教室も1つか2つしかありません。
そのため、一度その狭い空間の中で人間関係のトラブルが起きると、クラス替えのようなリセット機能がないため、学校以上に逃げ場がなくなります。
我が子も一時期、新しく入ってきた声の大きいお子さんとの距離感に悩み、フリースクールにすら行けなくなりそうになる時期があり、居場所を失う恐怖と戦うことになりました。

2つ目は、スタッフの熱意が裏目に出る、専門性の低さです。
民間フリースクールのスタッフの方々は、本当に善意と熱意に溢れた素晴らしい方が多いです。
しかし、中には子どもを救いたいという気持ちが強すぎるあまり、教育や心理学の客観的な知識がないまま、独自の精神論やお母さんの育て方の問題といった個人的な持論を保護者に押し付けてくる場面がありました。
また、スタッフと子どもの距離が近すぎるあまり、友達関係のようになってしまい、子どものわがままや生活習慣の乱れを個性の尊重という名目で全肯定しすぎてしまう傾向もありました。
その結果、社会復帰や社会的自立に向けた適度な規律や負荷をかけるタイミングを失い、ぬるま湯の中に子どもを囲い込んでしまっているのではないか、という強い不安を覚える時期もありました。

3つ目は、進路における独自の縄張り意識です。
中3になり進路を選択する際、フリースクール側が提携している特定の通信制高校やオルタナティブな進路ばかりを強く勧められ、全日制や公立高校への進学を希望した途端、スタッフの対応が少し冷ややかになるという空気を感じました。
学校教育が悪という極端な二元論を持っている施設の場合、子どもがやっぱり普通の学校に挑戦してみたいと思った時の受け皿やサポート体制が非常に脆弱であるという点には、利用する側が強い警戒心を持っておくべきだと痛感しました。

民間フリースクールは、子どもの命を救う素晴らしい場所である一方で、その狭さや専門性の偏りという独特なリスクを孕んでいます。

親は施設を盲信するのではなく、常に一歩引いた目で、子どもの社会的自立のゴールを見据えながら、バランス良く利用していく客観性が必要だと強く感じています。


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この記事をまとめた人

このサイトの管理人です。
2021年より我が子の不登校に対応している母(教員歴あり)Web会社経営者です。
不登校の中で出会ったたくさんの親子さんたちの困りごとを解決できるサイトを作りたいと思い、はじめました。
「正解を見つけるサイト」ではなく、「自分と同じように困ってる人いるんだな」くらいのN1の経験談として、気楽にご覧いただけたら幸いです。

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