「いわゆる「問題児」扱い。」

沖縄県:ガジュマル様
不登校の期間:高校1年生の夏に中退。その後、3年間の空白期間を経て夜間定時制高校へ。
不登校の理由
いわゆる「問題児」扱い。既存の教育カリキュラムがあまりに実社会から乖離していることへの苛立ちと、それを力で抑え込もうとする指導体制への反発。内向的な不登校ではなく、エネルギーのやり場を失った結果としての「ドロップアウト」。

学校という巨大なコンクリートの箱が、私には「才能の墓場」に見えて仕方がありませんでした。
朝から夕方まで、湿り気を帯びた潮風が吹き抜ける教室で、ただ板書を写すだけの作業。
スマホ一つで世界中の最新情報にアクセスできる時代に、数十年前からアップデートされていない教科書を読み上げる大人たち。
私は、彼らが語る「将来のため」という言葉が、あまりに安っぽく、欺瞞に満ちていると感じていました。

私が経験したのは、よくある「繊細で学校に行けない」というケースではありません。
むしろ、溢れ出るエネルギーが、あの四角い教室という枠組みに収まりきらなかったのです。
疑問を呈すれば「反抗的」と言われ、独自のやり方で答えを出せば「協調性がない」と切り捨てられる。
行政や学校が守ろうとしているのは、子どもの未来ではなく、単なる「管理のしやすさ」ではないのか。
そんな疑念が確信に変わったとき、私は制服を脱ぎ捨てました。

ドロップアウトした後に直面したのは、圧倒的な「情報の不透明性」です。
不登校や中退を選んだ瞬間、行政からのアプローチはピタリと止まりました。
役所の窓口に行っても、提示されるのは「更生」や「矯正」を目的とした、まるで前科者でも扱うかのような更生プログラムばかり。
私が求めていたのは、心のケアではなく「今の自分に市場価値をつけるための武器(スキル)」でした。
しかし、行政の支援メニューには、プログラミングも、会計も、デザインも、ビジネスの実学も存在しませんでした。
そこにあるのは、ただ時間を潰すためのレクリエーションと、社会復帰という名の「平均的な人間への作り直し」作業だけでした。

民間フリースクールについても、厳しい視点を向けざるを得ません。
いくつか見学に行きましたが、そこには「寄り添い」という美名の下で、子どもたちの野生を去勢してしまうような、ぬるま湯のような空気が流れていました。
傷を舐め合うだけのコミュニティでは、弱肉強食の実社会を生き抜く力は養えません。
行政には、単に箱モノとしてのフリースクールを助成するのではなく、企業と連携した「超実践的な教育バウチャー」の発行を強く求めます。
学校に行かない選択をした若者が、その予算を使って民間の高度な専門スクールに通えるような、実利的な支援にシフトすべきです。

また、学校施設の物理的な開放も提案したい。
不登校の子どもたちは、学校という「システム」は嫌いでも、図書室や理科室、PC室などの「設備」には興味がある場合があります。
しかし現状では、登校しない生徒が放課後や授業中に施設だけを利用することは極めて困難です。
「全か無か(全部行くか、全く行かないか)」という極端な二択を迫るのではなく、公共施設としての学校を、地域の誰もが24時間いつでもアクセスできる「ラーニング・コモンズ」へ解体・再編してください。

私が最も腹立たしく感じていたのは、大人が口にする「普通」という言葉の暴力性です。
高校を中退した私に対し、周囲は「人生が詰んだ」かのような視線を送りました。
しかし、レールを外れたからこそ見えた景色があります。
今の日本の教育は、あまりに均質化された「部品」を作ろうとしすぎています。
行政は「不登校をゼロにする」という不可能な目標を掲げるのを今すぐやめ、「学校に行かなくても、いくらでも食っていけるルートがある社会」の構築に全力を挙げるべきです。

世間の皆様、学校に行かない子どもを「問題がある」と決めつけないでください。
彼らは、壊れかけたOS(教育制度)の上で必死に新しいアプリケーションを立ち上げようとしている存在です。
彼らが求めているのは同情でも理解でもなく、ただ「干渉されない自由」と「学びたいときに学べるリソースへのアクセス権」です。

私はその後、夜間の定時制高校で自分と同じような「はみ出し者」たちと出会い、そこで初めて教育の本当の面白さを知りました。
年齢も背景もバラバラな人間が、自分の意志でそこに集まり、学ぶ。
そんな光景が、なぜ全日制の中学校や高校では実現できないのでしょうか。

教育委員会や行政の担当者の方々、あなたたちの仕事は、子どもを教室の中に閉じ込めることではありません。
子どもたちが社会という大海原へ飛び出すための、頑丈な船と羅針盤を与えることです。
その船が学校という名の豪華客船である必要はありません。
手作りのカヌーでも、最新のジェットスキーでもいい。
多様な航海を認め、支援する。
そんな潔い行政への変革を、南の島の空の下から強く、強く叫びたいと思います。


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この記事をまとめた人

このサイトの管理人です。
2021年より我が子の不登校に対応している母(教員歴あり)Web会社経営者です。
不登校の中で出会ったたくさんの親子さんたちの困りごとを解決できるサイトを作りたいと思い、はじめました。
「正解を見つけるサイト」ではなく、「自分と同じように困ってる人いるんだな」くらいのN1の経験談として、気楽にご覧いただけたら幸いです。

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